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罪の手ざわりのyumaのレビュー・感想・評価

罪の手ざわり(2013年製作の映画)
4.1
「こう来たか、ジャ・ジャンクー!」というのが初見の印象。インタビューでの武侠映画を撮りたいの言葉通り、「その箇所」ではそれまでの長回しを忘れ、物凄く早いカット、演者たちのそれを意識した演技など、いやらしい程のアクション要素を含んだ映画となっている。
内容に関しては「楽園追放」のアレンジ。食べようとすると車が爆発する、皮は剥くが子供に渡す、果物ナイフの所持が許されない、客へのサービスとして提供するなど、執拗なほどのリンゴを「食べられない」ことに対する拘り。しかも、わざわざCGで女性の前に蛇まで登場するのである。禁断の実を食べたことで、人間となり、楽園を追放されたアダムとエバ。では、リンゴを食べられなかった彼らは...。
アクションがあることはスパイスとして楽しめたし、それ以外は今までのジャ・ジャンクーであり、画も非常に満足できた。クレジットの入れ方からエンディングまで息も出来ぬほどの出来だ。世界的なアジア監督としての威厳は相も変わらずである。
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