カズザク17

白ゆき姫殺人事件のカズザク17のレビュー・感想・評価

白ゆき姫殺人事件(2014年製作の映画)
4.2
同僚、上司、同級生、幼馴染み、そして渦中の本人が、それぞれの視点で事件の真相…と言うよりは勝手な憶測を語る。同じ出来事を語っていても、人によって見方・感じ方・捉え方が違うから、証言に微妙な食い違いが生まれてくる。人の記憶って、意識してる・してないは別として、自分に都合良く改変されてしまうものなんだと思う。だから、記憶する際に生まれた食い違いが、その記憶を思い出して語る時には、更に大きな食い違いとなって出現してしまう。あやふやな記憶に、別のあやふやな記憶を繋ぎ合わせ、そこに勝手な解釈が入り込み、真実・真相とは大きくかけ離れた「真実・真相らしい憶測」が作り上げられていく。その憶測がSNSを通じて拡散し、そして一人歩きし…気が付けば、憶測が真実・真相として世間が受け止めている。恐ろしや、SNS社会…。
「本当の真実・真相」は、幼馴染みの2人の友情・心だけ…10数年ぶりの蝋燭のコミュニケーションに、救われた気持ちにたなった。