結湖

白ゆき姫殺人事件の結湖のレビュー・感想・評価

白ゆき姫殺人事件(2014年製作の映画)
3.5
怖い映画だった(精神的に)
なんかもう現代の縮図みたいな映画でした。
「人というのは身勝手なものだねぇ」と一緒に観にいった母の感想が一番しっくりきます。
湊かなえは人の心理を描くのが上手い作家さんだなぁ。(原作映画はいくつか見てるけど、本は読んだことないので、今度読んでみようと思いました)
言われるがまま、思うがままに、ろくな裏取りもせず、城野美姫(井上真央)を勝手に犯人だと断定して、個人的な情報を拡散するTVディレクター赤星(綾野剛)もかなりのクズですが、登場人物はわりとどの人もろくなもんじゃありません。(SNSも含め)
しかし、そのキャスティングが見事でどのキャラクターの役者さんもガッチリとハマってるのがスゴイ。
あんまり言ってしまうと謎解き(城野は本当に犯人なのかどうか)が面白くなくなってしまうので止めておきます。
匿名のSNSツールを始め、マスコミは使う人の考え方次第でいかようにも誘導されてしまうのが良くわかる映画です。
けれど、本当に信じられるものも、やはり人の心なのだとも教えてくれます。この映画の唯一の良心に触れて、私はほろりと泣きました。
勘のいい人なら序盤で読める展開かもしれませんが、それよりもなによりも恐ろしい現代の縮図を堪能したほうがいいと思います。
2014/03/29:TOHOシネマズ新居浜
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