三隅炎雄

進藤の社長シリーズ 次郎長社長と石松社員の三隅炎雄のレビュー・感想・評価

3.5
瀬川昌治監督三作目。女性下着メーカーの次郎長社長進藤英太郎が三流大卒石松社員中村嘉葎雄の協力を得て、お家騒動を解決する。ワンマン社長とダメ社員の交流は瀬川自身の『喜劇競馬必勝法』の進藤英太郎と谷啓、そして『釣りバカ』三國連太郎と西田敏行へと繋がる。
話は保守的なサラリーマン物で切れ味ももうひとつと言ったところだが、歌声喫茶の騒音の中での会話字幕処理や、奇怪な「クラブ次郎長」でのホステスたちの三度笠レビューといった若手監督らしい試みもある。トイレットペーパーのギャグ回収も良い。台詞に混じるモダン・ジャズやらヒッチコック劇場やら「アパートの鍵貸します」やらに監督の趣味が覗く(なかなかそれが生きないが)。
三隅炎雄

三隅炎雄