Donatello

NOのDonatelloのレビュー・感想・評価

NO(2012年製作の映画)
3.1
チリという国の、特に映画製作事情なんかの細かいところはよくは知らないんですが、大体合作なんですよね。どこかの国と。
最近だとホドロフスキー監督の『リアリティのダンス』なんかもフランスとの合作でしたが。
基本予算ないんですかね。

んでまぁその予算の無さが影響してるのかどうか知りませんが、内容どうのこうの前に2010年代だというのに、これなんですかと問いかけたくなる映像です。
正直「70年代製作」と言われても全く違和感のない、「ハリウッド映画でチリに高飛びした奴がホテルに入ってテレビつけたらやっていた映画」みたいな感じです。
いやいやいやいやいや。
その時代に沿った形にしてももう少しやりようあるだろと。
衣装とか小道具とか劇中映像だけでいいのではないかと。

選挙キャンペーンを取り仕切る広告マンがCMのみで相手陣営と戦う映画、と聞けばワクワクする感じの、凄い斬新なCMが見られるんじゃないかと期待したわけですが、至って普通の非常にオーソドックスな感じのCMばかりで、少々肩透かしをくらいまして。
まぁ限りなくノンフィクションなんでしょうから致し方ないのかもしれませんが。

相手陣営の露骨な嫌がらせも、段々エスカレートしてきて、そこの煽り方は上手だなと思いますが、いかんせん元がリアルイベントだけに無茶はできなかったのでしょう。わかってはいるけどもう少し盛っても良かったのではないか。

そんな中でも主人公の、政治的な思惑とは距離を置いた感じの、CMでの勝ち負けにしか興味がないどこか冷めた感じは、なんとなく共感できるところありましたね。
…僕CM作ったことないけどさっ。
Donatello

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