takashi

ある精肉店のはなしのtakashiのレビュー・感想・評価

ある精肉店のはなし(2013年製作の映画)
4.5
大阪で牛の飼育からと殺、肉の販売までをてがける精肉店に迫ったドキュメンタリー映画。

冒頭からいきなり牛の眉間に重いハンマー打ち付けて失神させ、血を抜いて殺し、丁寧に無駄なく肉を切り分けるシーンから始まる。

一見ショッキングな映像にも見えるが、とにかく丁寧で手際よく牛を肉にしていく様は圧巻。

7代にも渡って家族で精肉店を営む出演者たちからは牛を愛情を持って育てているのが非常によく伝わる。

映画では過去から現在へと続く部落差別にも触れ、実は非常に危険な仕事でもあると殺業はこうして多くの人たちが気にせず肉を食べられるよう昔から主に部落の人たちが担っていた。

映画を見終わった直後の想いは「めちゃくちゃ牛の肉がおいしそうで食べたい」だった。

ちょうど監督と一緒に映画を見るというイベントだったこともあり、監督自身の誠実かつしっかりとしたメッセージ性を感じ、自身がご飯を食べられる今の世の中を支えている人、そして食材となる様々な生命への感謝は忘れないようにしようと思った。
takashi

takashi