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ある精肉店のはなしの六のレビュー・感想・評価

ある精肉店のはなし(2013年製作の映画)
4.0
朝一の上映だし、正直こういう題材は万人受けしないから人は少ないだろうと、、、
劇場のエレベーター降りたらたくさんの人が並んでいた

考えれば、これは万人が見るべきだ
人間は他の生物の命をいただいて生きている
その命が自分の口に入るまでに、どういう経緯をたどっているのかを知っておくべきだ

毎日食べてる食事
ほとんどの人がスーパーなどで食材を買ってきて料理するわけだが
店頭に並ぶ前のことを見ることはなかなか無い
特に食肉類はぼんやりとしかわかってないかも
そこにたどり着くまでには誰かが育ててくれてるのはもちろん
誰かが屠畜してくれている
そのおかげで我々は肉を食べることができる

子供を連れて見に来てる人もいた
ショッキングなシーンもあるけど、
食べるということはこういうことなのだと子供たちに見せておくと
本当の「いただきます」「ごちそうさま」が言える子に育つと思った


この映画では被差別部落のことも出てくる
部落出身というだけで就職や結婚に影響することがあるという
今の世代ではそういうのも少ないだろうけど
未だいわれのない差別を受けている人はいる

小学生くらいまでは自分の住んでる地域でも
こういう話はちらほら聞いた
部落について考えようみたいな授業もあった
まさにその地域にうちのじいちゃんばあちゃん住んでたので
授業中はなんか恥ずかしくなった記憶がある
まあみんな似たような思いだったかも
みんなその近所に住んでたわけだから

ではあのとき、自分や誰かが部落出身者と宣言したとして
それを聞き「もうコイツと遊ばんとこ」って思う人はいただろうか?
たぶんいなかったと思う、もう友達になってるわけだから
しかしまだ相手をよく知らなかったら?
人ではなく、部落出身ということで判断してしまうこともあるだろう
結婚も当人同士は問題なくても相手の親御さんが反対するのだ
その人ではなく背景で決めてしまう、これが差別の怖いところだな


なんか重い映画かと思われるが
このドキュメンタリーは終始明るい
笑いの絶えない家族の団欒はとても微笑ましく
この一家を通して命や食についても改めて考えたし
自分の家族ともっと向き合っていかなくてはとも思えた
あと小学生の頃を思い出す懐かしい風景を見れたのも良かったな。
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