茜

蝋人形の館の茜のレビュー・感想・評価

蝋人形の館(2005年製作の映画)
3.0
割と有名ホラーだけど今まで観た事なかったやつ。
パリス・ヒルトンが出てるっていう情報だけは知ってた。
「エスター」や「ロスト・バケーション」等のジャウム・コレット=セラ監督デビュー作。

フットボール観戦に向かう若者グループが殺人鬼に襲われるっていう大筋は正統派なスラッシャー。
決してつまんない訳じゃないし、何だかんだ最後まで観ちゃったけど、個人的には普通…というか今一つ物足りない印象。
ワーナーだから美術装飾なんかもお金かかってるし、お話も綺麗にまとまってはいるんですけどね。
その収まりの良さが私の中では「普通」として変換されちゃってるのかもしれないなー。
あと微妙にテンポが悪い。特に前半の若者グループが何やかんやしてるとことかほぼ記憶に残ってない(笑)

絵的に派手ではないけど「絶対やられたくない!」っていう嫌な描写が沢山詰まってます。
口に接着剤、指をペンチでチョッキン、アキレス腱をナイフがぐさっ、意識がある状態で皮膚をペリペリ等々…。
生首ゴロリや脳天串刺しという豪快なシーンもありますけど、私は先に挙げたちょっと地味な描写の方が断然リアルでキツい。
でも口に接着剤は正直やりたい。やられたくはないけどやりたい。

ストーリーで描かれているのは兄弟愛なのかな。
ネタバレになるので深くは言えないけど、ラストとある兄弟が重なり合う表現は美しい且つ比喩的で切なくも良いシーン。
過激すぎず地味すぎない、お金をかけて見栄え良く作り上げられた程よいホラー描写は幅広い層がとっつきやすそうな印象。
フォロワーさんも書いていたけど、マイケミやマンソンといったメジャーなロックナンバーが多数流れてくるところもホラーファン以外へのアプローチとして敷居を低くしてる感じ。
ただ自分はこの選曲あまり雰囲気に合ってなくて浮いてる感じがしたんだけど、マイケミの「Helena」は一番好きな曲だからちょっとテンション上がった&ストーリーと歌詞がリンクしてるっちゃしてるよね。
茜