Siesta

胸騒ぎの恋人のSiestaのネタバレレビュー・内容・結末

胸騒ぎの恋人(2010年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2人でニコラの話をしているところでタイトルが入る フランシス、マリーの2人がニコラにメロメロになっていく 服装のカフェでの大袈裟具合 濡れ髪、洋服、フェイスライン、髭 こういう日常に潜むフェティシズムの描写がやはり上手い かくれんぼというどちらを先に見つけてくれるのか、という2人の想いの示唆 彼の服の匂いで慰める行為に暴走するフランシス 同世代の恋愛トークも意味ありげで、機械的でまるでインタビューのようで、その意味はなんだろうと 待たされる側の悲哀?小さな一喜一憂の滑稽さ? はたまた? マシュマロが降ってくる、フラッシュの瞬間にミロのヴィーナスの重なり合う こういう心象風景のセンスも堪らない 
キャンプファイヤーにニコラのおばあちゃんの家へ出かける3人 落ち葉、イチョウの黄色、ブランコ マイマザーでも懐かしの森へ行く展開があったが、この辺にドランの少年的原風景の残り香を感じる キャンプファイヤーでのマシュマロの生々しさ 前歯で周りの皮を剥がして、とか それを見るマリー、一晩明けても楽しげで、という そこでブチギレて帰ろうとするところは、この感情の流れが読めない人には辛いかな ドランはオシャレなんだけど、ラジオでのドラン解説でもあったけれど、あっけらかんとストレートに描く人なんだよなと思う 好きな俳優もモロに出すし 美しい男の系譜が好きなんだろうなという ジェームズディーン、リバーフェニックス、レオナルドディカプリオ 最新作では君の名前で僕を呼んでへオマージュを捧げるあたりでは、ティモシーシャラメも好きそう 今作ではオードリーヘップバーン推しで、好みも超王道なんだよな 個人的にめちゃくちゃ分かる
ニコラからすれば、勝手に訳わからんうちにバトルになっていてカオスという 帰省してからの2人の電話のソワソワ感のリアル そして、フランシスは告白するもゲイではないと振られ、楽しかった季節を、みたいな激重ポエムを間違ったとかいって送りつけて、再開した時の早口で捲し立てる雰囲気の痛々しさに、もし間違ってなかったら、からのニコラの火が心配だから、という振られ方の絶妙さ 2人ともセフレとのやり取りが強気だったのが弱気になり、喧嘩した2人も同じ傷を負ったもの同士で仲直りする 同じ傘の中に2人がおさまっていくこの雰囲気の上手さ 個人的にはここで終わりでも良かったかなとも思わなくもない ただ、パーティでニコラと再会した時の一年前は敵視していた面倒くさい側の奴らになっていて、かつまたしても同じ男に惹かれていくという滑稽さ、可笑しさというのも面白かった この時の洋服の色も一年は青とピンクという対比からの同じオレンジ色という変化も視覚的に抜群のセンスを感じる
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