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それでも夜は明けるのlaszloのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
3.5
2013年 米英合作 監督:スティーヴマックイーン 第86回アカデミー作品賞

米奴隷制度廃止の1865 年から20年以上前
1841年の事実を基にした物語です

米北部で自由黒人としてミュージシャンで活躍していた主人公が突然拉致されて奴隷として南部に売り飛ばされてしまいます
昨日までの普通の生活はその日を境に地獄に叩き落とされます
しかし本当に頭が良いのでしょう そんな環境の中でも奴隷になる前の精神を保ちます
種々の事情で移り変わる農場主からもギリギリの中で重宝されて行きます
それでも基本的に奴隷は家畜以下 他の奴隷たちはまるで道具のように扱われます

黒人に対する酷い扱いと言うと2019年の映画“グリーンブック“を思い出しますがそれは奴隷制度廃止から更に100年後1962年の話です
それどころか奴隷制度自体は形を変えて今でも世界中に残っていると言います
最近でも2016~2019にかけてNFLで警官による黒人射殺に抗議して国家斉唱の際に膝を付いた選手が活躍の場を失いました

今でも$20紙幣の顔になっている第7代大統領のアンドリュー ジャクソンは奴隷農場主でネイティブ・アメリカン(インディアン)を虐殺しています
アメリカは私の好きな国のうちのひとつですしここで他国の過去を論う積もりはありませんが日本史にしろ世界史にしろ歴史についてはいろんな意味で知識として知っておく方が良いのではないでしょうか

そして物語は突然登場したブラッドピットによって大きな転換点を迎えます
拉致された男の最後は一体どうなるのでしょうか?

鑑賞後いろんな意味で釈然としない想いが残る映画でした
是非多くの方に鑑賞頂きたいと思います
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