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それでも夜は明けるのmiinanoooのネタバレレビュー・内容・結末

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

差別・奴隷モノは見てて辛い。
人に値段がつけられて売られる、所有物になる、理不尽に痛めつけられる。

その時代、そして現代も、
無能な奴ほどプライドが高い、自分の弱さを隠そうとして自分より弱い立場の人を蔑むのが大好き。それで安心感を得る、位が高くなったように気取る。そんな人にはなりたくないなと思った。この映画だと意地悪な大工とか。

誰も助けないで放置されてる描写とか、なんで助けないんだろうって思うけど、現代のいじめられてる子を助けるかと同じで自分が目をつけられることになるとしたら...な状態、てっきり監督官みたいな人は助けると思ったが助けない、それは戒めなのか?プライドなのか?主人は優しかったけど借金あるの?もしかしたら監督官みたいな人に弱みを握られていて、その材料にするために殺させはしなかったとか?

手紙がキーワードで、始まりから重要な役割を担っている。素性を明かさず読み書きもできないただの奴隷として振る舞うことで、余計な警戒も監視もなくいられる。バイオリンが弾けるという一芸で優遇されるのかなと思ったがそんなに甘くなかった。

同じ黒人でも、奴隷と自由黒人、自分の身が優先で他人を助ける余裕はない、そんな残酷さも描かれている。自由黒人を売買するのは犯罪で、その証明がない黒人は売買しても犯罪ではない。
制度としてあったことが非人道的で認められるべきではないが、歴史を見れば人類として自然なことにも思える。ネイティブ・アメリカンだってそうだし。アメリカだけじゃない、いつの時代もどこの国でも起こること。人間は自分と異なるものを簡単に受け入れられないのだ。生存意識でもあるのだろうが、もうそのような時代にはいない。繰り返される過ちを、どうにかより良い世界にしようと。だから歴史を学ぶ。小学生の時はなんで過去を覚えなきゃいけない?と思った、けど過去が≒未来とも今は思う。温故知新。

主人公は自由黒人で妻も子もいてもともとは普通に幸せに暮らしていた、そして奴隷として12年間、そして元の家に戻れる。そんなごく僅かな不幸とも幸運とも取れるような人生。もともとずっと奴隷だったら?帰るところもない、待ってる人もいない、幸せも知らない、むしろ幸せを知らないことが幸せなのか。幸せを知ってしまっているからこその"俺は違う"という苦しみ、こんなの間違ってると思える。'奴隷'であっても体罰とかがなくて働かされるけど衣食住と少しの自由は貰える、そうしたら幸せなのかな。


今の暮らしがどれほど良いか、幸せか。
感動する。映画で見る意味があると思う。

ポスターが一見、逃亡劇のようにも見えるが違う。

いきなりのブラッド・ピットは存在感、いいとことってるなぁと思ったけど、この映画の数少ない救いでもあった。

彼の死について一切の記録がないのは、彼を恨む者によって暗殺されてしまったのだろうか。

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