たむたむ

それでも夜は明けるのたむたむのレビュー・感想・評価

それでも夜は明ける(2013年製作の映画)
3.6
自由黒人ソロモン・ノーサップによる体験記を原作に、スティーヴ・マックィーン監督がメガホンを執り、悲惨な過去の歴史を名優たちが体当りの演技で再現した史実に基づくドラマ。
アマプラ見放題終了間際の滑り込み鑑賞。

奴隷制度廃止前の1841年を舞台に、ある白人の裏切りによって拉致され、奴隷としてニューオーリンズの地へ売られた自由黒人・ソロモンの姿を通して当時の惨状を描く。

マイケル・ファスペンダーやベネディクト・カンバーバッチ、ポール・ダノなど、錚々たる顔触れが揃う本作。ブラッド・ピットが主宰するプランBが製作に携わっており、出番は少ないながら自身も端役で出演しています。
当初はパラマウントのみでの製作だったようですが、この題材では興収が見込めないと断られ、後日、本作がオスカーを受賞したことで揉めたとか。

序盤から、思わず顔を顰めてしまうような残酷で理不尽なシーンが続き、観ていてキャスト陣のメンタルが心配になりました。たとえ演技とはいえ、虐待する側もされる側も役に入れば入るだけ、心が疲弊していきそうで。。特に、される側である黒人キャスト陣は、一体どんな思いで役に臨んだのかと。。

ファスペンダー扮するエップスから執拗に虐げられる黒人女性・パッツィーを演じた、ルピタ・ニョンゴは本作でアカデミー助演女優賞を獲得。観る者を惹きつける納得の演技。

それだけ描写にリアリティがあったという事なので、史実を後世に残すための作品として存在価値は十分。ラストで映し出されるソロモンのその後には、人種差別の根深い問題が示唆されています。

肌の色はどうあれ、人が人であることに変わりはない。
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