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富江 アンリミテッドのタクマのレビュー・感想・評価

富江 アンリミテッド(2011年製作の映画)
3.4
見たで。
自分を愛した男達を全て破滅に導く不死身の怪女富江を描いた伊藤潤二氏による漫画実写化の第8弾。「富江」は原作も読んでるし実写化も色々見てきましたが個人的にはこれが一番富江と言う漫画に近づけて実写化した作品として最高の作品。
何度死のうともその度に分裂して姿を変える富江と言うキャラクターの不気味さと魔性ぶり、おどろおどろしい伊藤潤二ワールドの地獄ぶりが嫌と言う程再現された狂気のラブストーリー。ギャグと恐怖が良い具合にマッチしてるのは監督である井口昇の作家性が富江と言う漫画作品に上手く噛み合った結果でしょう。富江を演じる仲村みうは演技的にも容姿的にも凄く良い仕事をしていてそれが作品の完成度を高める大きな要因にもなっている。
ただここでハッキリ釘を刺さねばならないのは漫画作品の実写化としての完成度が高いと言う事と多くの人達が楽しめる映画だと言うのは全く別の話と言う事。そもそも富江っていう漫画作品は荒唐無稽でなんじゃこれは?の連続。漫画原作を知らない人がこの映画を見た所でなんかようわからんかったなあで終わる可能性が高い。つまりJホラーの様な怖さを秘めた映画を期待したら肩透かしを食らうが富江や伊藤潤二の世界観が大好きで仕方ない人に見てほしいと言う意味。誰もが好きな作品ではないかもしれないがあの独自過ぎる世界観をここまで表現した点は絶対評価だ。
巨大頭富江、ムカデ富江、色んな富江が出てくる映画ですが富江弁当の嫌悪感だけは見ていてえげつない事この上ない…
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