じろ

オーソン・ウェルズの フェイクのじろのレビュー・感想・評価

4.0
オーソン・ウェルズのエッセイ的映画。

オーソン・ウェルズの語りと共に、ピカソの絵を描く贋作画家エルミア、その伝記を書いた贋作作家アーヴィング、大富豪ハワードヒューズ、謎の女オヤの物語がパラレルに、かつお互いにほぼ無関係に映し出される。真実とも虚構ともつかない映像が断片的に流れ続け、ストーリーないじゃんってなるが、そもそも監督の目的は作者というものが結果としてのアートになんの意味ももたらさないこと、真作と贋作の区別は市場によって発生していることなのでむしろストーリーが一貫していないことに意味がある。

シャルトル大聖堂のショットと共に「この建築はここに何世紀も建っている。西洋世界最高傑作とも言えるが誰の署名もない。」と語るところと、それが贋作であろうがアートそれ自体は真実である。という台詞が好きだった
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