ちろる

マーク・ジェイコブス&ルイ・ヴィトン ~モード界の革命児~のちろるのレビュー・感想・評価

3.7
1997年から2013年にルイヴィトンのクリエイティブディレクターを務めたマークは伝統的で変哲も無い大衆ブランドだったルイヴィトンをファッショニスタが夢中になる革新的なブランドとして再びトップブランドに押し上げたまさしくファッション界の寵児。
独身時代に外資のファッション業界で働いていたのですが個人的には2002年から2005年あたりのコレクションは神だと思っていて、彼の作るLVのレディースプレタは特に素晴らしかったのでそのドキュメンタリーである本作は非常に楽しめた。

彼のクリエイティブな発想はどのようにして生まれて行くのか?
華やかなパーティとコレクションの表舞台とは打って変わったハードで戦場のようなその制作裏側を覗きみることのできるとっても貴重なワクワクする映像たちにニヤニヤできます。
ちなみにこの撮影の時のLVは特に日本市場に力を入れていたので、日本で行われたコレクションの場面や村上隆、草間彌生との繋がりなど日本人にとって馴染みの深い人たちがたくさん登場するという点でもなかなか見応えあります。

彼のファッションがいつもキラキラしてるのは理由きっと彼自身が人生を思いっきり楽しんでることが根源なのだとこのドキュメンタリーを観て納得した。
でも奇抜で華やかな彼を取り巻く世界から考えられないようないつもTシャツ&パンツのシンプルな服装と、言っちゃ悪いがただ栄養をとるためだけの不味そうな食事(栄養ドリンクとプロテインバー)というアンバランスすぎる実生活は予想外すぎました。

生活のなにからなにまで生き方まで美しさにこだわる完璧主義のトム フォードとは真逆な気がしてそれはそれでマークにめちゃくちゃ親近感が湧きます。
個人的にはコレクションで失敗した後に車での呟く卑屈な会話がツボ。
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