キットカットガール

マーク・ジェイコブス&ルイ・ヴィトン ~モード界の革命児~のキットカットガールのレビュー・感想・評価

3.3
テーマは”工夫とアレンジ”

マークはルイ・ヴィトンと自らのブランド:マーク・ジェイコブスを掛け持ちしている。デザインだけではなく、ショーのプロデュースも手掛け、多忙な日々を送っている。ヴィトンのコレクションのデザインとショーの準備、マーク・ジェイコブスのコレクションのデザインとショーの準備、他にも各国にある支店とのミーティングやらイベントやらと睡眠がとれないとほど働いている。しかし、信じられないくらい彼はアクティブで、バイタリティーに溢れている。
キャスター付きの椅子に座り、あっちへこっちへ、兎に角常に動いている。主食のプロテインバーをかじり、会議に参加する。Tシャツとカーキのチノパン、スニーカー、そしてトレードマークのクリアフレームの眼鏡、常にラフな格好をしている。この風貌から若々しさが伝わってくる。カジュアルな服装と同様に人柄も親しみやすい。物腰柔らかで、サービス精神旺盛、フレンドリーで、家族のように周囲の人々を大切にする。部下が一生ついていきたいと思うのも納得出来る。厳しい時も勿論あるが、彼の周りには笑顔が溢れていた。

いくら忙しくてもインプットすることは忘れない。様々な人と会い、刺激を受け、積極的に何でも取り入れる。色々な場所でアイテムを調達し、それらをアレンジする。お茶で染めてみたり、漂白したり、ビニールをライターで炙ったり、実験的な工夫が加わり斬新な新作が生まれる。非常に興味深かった。何が何に関わってくるかわからない。ありえない事がありえる。それがファッション、だから面白いのだと。
改めて、トップデザイナーの凄さを感じた。大勢の人々をまとめ上げ、きちんと結果を残す。
そして、彼一人の力だけでなく、数えきれない人の協力により全て進行しているのだと、仕事の本質も再認識した。チームワークがキーワード。

編集については、チープな印象を受けた。ナレーション、CG、BGMがあまり好きになれなかった。内容がよかっただけあり、少々残念。

メモ)
・ソフィア・コッポラが話している姿を初めて見た。個人的にとても嬉しかった。
・オートクチュールが何故あれほど高級なのかやっと理解出来た。
・モデルさん、かなり大変。キラキラしているように見えてもかなり過酷な職業なのだと学んだ。