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名前のない女たちのnori007のレビュー・感想・評価

名前のない女たち(2010年製作の映画)
4.1
原作は企画AV女優のインタビューをまとめたノンフィクションで何冊かを読破済。
映画は原作のエッセンスを取り込みながら作られている。

主人公は家庭でも支配され、会社でも認められず、八方塞がりの生活を送っていたがようやく自分を開放できる場所を見つけた。それは現実の自分を否定するかのように別人格を作り上げAVに出演することなんだが、こういった境遇にいる人が見れば痛いほどわかる話だと思うしAVに流れる説得力もある。

一方、勝ち気な性格の姉御肌だが、生活はヒモの男にたかられてる女。この人も主人公とは性格が真逆だけれども根っこの部分は同じなんだと思う。

そんな現実にもがき苦しみ、二人の行き着いた先はすべてのしがらみを脱ぎ捨て真に心がかよった終盤の部分だと思う。

ラストにエクストリームな展開になるが、あれは無くてよかったと思う。現実味が一気になくなってしまうので。
まああの手の映画は好きなので映画的には楽しいのだけれどね。いや終盤はどこまでが心象風景なのかわからない作りなので、あれ全部心象風景と無理やり解釈出来ないこともないが(笑)
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