Keruta

ウォルト・ディズニーの約束のKerutaのレビュー・感想・評価

4.6
『メリー・ポピンズ』誕生秘話🎠

頑固な原作者P.L.トラバーズと映画化を熱望するウォルト・ディズニー
彼らの人間ドラマ、トラバーズの過去、そして『メリー・ポピンズ』の映画化が実現するまでを描く。

相当前に初鑑賞した作品であるが、改めて見返すと現代だからこそ、気づく点もある。

容赦なく映画にダメ出しをするトラバーズであるが、原作者の尊厳が如何に守られるべきか考えられる。

当たり前ではあるが、「アニメーションが酷い」といった台詞やエンドロールで流れる実際の音声から彼女の原作に対する熱い思い、厳しい言葉をかけながらも映画をより良くしたいという思いが伝わってくる。
劇場で完成した映画を鑑賞し、涙を流すトラバーズを見て、エマ・トンプソンの演技も相まって、こちらも感無量。

また、ウォルト・ディズニーの再現度も素晴らしい。トム・ハンクスは相当に似せているし、肖像画まで再現している。
ウォルトの執務室に関しても過去に展覧会で見たことがあるが、相当な再現度だ。

トラバーズの切ない過去も見どころでポピンズのモデルであろうおばやバンクス氏のモデルであろう父親。
彼らとの交流が作品にどのような影響を与えたか垣間見ることができる。

そして、コリン・ファレル演じる父親の語りがオルゴールVerのようなチムチムチェリーとマッチし、切なさを非常に引き立たせる。

『メリー・ポピンズ』を鑑賞した方はもちろん、ディズニー好きであれば、絶対に感動できる作品であることは間違いない。
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