CucumPrincess

ウォルト・ディズニーの約束のCucumPrincessのレビュー・感想・評価

3.7
経験は経験のままにしておいては何の価値も持たない。いつも思っている。この経験が未来の私や誰かの励ましに、勇気に、希望に、笑いになればいいなと。

P.L.Travers。それは私の大好きな"Mary Poppins"の原作者である。彼女はDisneyスタジオでの"Mary Poppins"を映画化を中々許可しない。段々と明かされていく"Mary Poppins"と彼女の人生の関係。そう、あの名作は彼女の経験が元となって作られた物語なのである。
簡単には手放せない経験。誰かの手が加われば、それはもう自分の手元を離れてその誰かの解釈で全く違う物語になってしまう。
だから、Traversの頑固さは十分分かりうるものなのである。

作家だろうが映画監督だろうが画家だろうが歌手だろうが、経験を芸術に昇華できる人たちは挙って尊敬に値する。失敗の王者と呼んでも過言ではなかろう私も、そりゃ偉そうな顔して「昔の私はこんなだったけど、今の私はこんなに成長して......」なんて語ってみたりしたいけれど、昔どころか今現在も尚失敗状態にある私に、語れるものなど何もない。そもそも器が小さすぎて、失敗を受け止めることすらできない。信じられないほど青ざめた顔でひたすら埋まりたいと願う日々を過ごしている。

Supercalifragilisticexpialidocious。まともに言えないのが全ての原因だったりして。
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