雨丘もびり

ウォルト・ディズニーの約束の雨丘もびりのレビュー・感想・評価

4.5
「ディックヴァンダイクが演じるの!?冗談でしょ!絶対だめ!!」
爆笑。もう爆笑w。押し切ったウォルトに爆笑www。
なんッてユーモラスな映.画!!
.
【クソ婆ぁ】
原作者を脚本チームに加えるとこういうことになりますっていうケーススタディみたいでエグい。
ただでさえ、厭世家で偏屈で頑固でアメリカ嫌いのブリティッシュBBA。げんなりさせる溜息が巧すぎw。
自分ドラマで頭がいっぱいなあまり、他人の気持ちや人生にまったく配慮ができず、理解して欲しいのに踏み込んで来るな!って全員傷つけまくる残忍性が爆笑w。
ウォルトが大人に見えるものw。
.
でもね、ずーっと観ていくと、わかるっていうか。
.
自分の人生のっけすぎて書いたデリケートな小説だから、ハリウッド的キャラ分けでデフォルメされたり、勧善懲悪なドラマに飾り立てられたりすると、そりゃ傷付くよね...って思います。「私は父をそんな愚かな人物だと見ていないわ!ひどすぎる」みたいな台詞が突き刺さりました。
.
過去の自分が赦せなくて、小説の中でやりなおそうとしたパメラ。
そんな原作者の後悔と贖罪にとことん歩み寄ろうと努められたのは、ひとえにウォルトの財力と地位あってこそなのだと思います。日本の今の制作現場では不可能だなって思い知った。とにかく博打を避けた現場を創って、仕事を割り振って、限られたお金をなんとかまわさなきゃいけないから。
.
「もう疲れたよトラヴァース夫人。こんな形で、過去を思い出すことにね。」
「私たち二人の悲しい物語を、そろそろ終わらせたくないですか?」
「メリーポピンズが救うのは子供たちじゃない。」
「父親だよ、あなたの父親だ。」
「許すんだよ、娘のヘレン・ゴフを。」
「私はあなたの本からそれを学んだ。」
「罪の意識を抱いて、一人生きる人生はツラすぎる。」
.
.
.
私的には、ちょっと回想シーンが多すぎた気も💦。
そんな思いっきり長尺で振り返らんでも(^^;)って冷めてしまう瞬間もあった。
でも笑って泣いて、とびっきりのカタルシスを得られるヒューマンドラマでした。素晴らしい!!!