カルビン高校の女子寮で、クリスマスの夜に女の子が墜落死する。
2年後、クリスマスホリデーに寮に残っていた数人の女の子が、男の子を招いてパーティーを行う。
だが、翌日用務員の遺体が見つかり、2組のカップルが行方不明になっていることが判明。
警察が張り込むことになるが、サンタクロースの格好をした殺人鬼は、警察をあざ笑うように次々寮内で殺人を繰り返す。
女子寮を襲う大胆不敵なサンタ殺人鬼によるスラッシャー映画。
普通に女子寮に、クリスマスに男の子を連れ込んで遊んでたら殺されてった・・・みたいなそんな話です。
タイトルはかなりエロティックなムードではあるが、タイトルに偽り有で、お嬢様は「犯されて」ませんし、即物的なエロ描写は全く出てこない。
まぁ、殺人が起きて捜査に来たのに役に立たないどころか女子の一人と寝ちゃう刑事や、殺人が起きたのに寮に入れてもらえず野宿しているセスナの運転手とか、バカバカしい場面はなかなか面白いんですけどね。
あと誰が犯人なのか、などと疑う前にガンガン犠牲者が出る。
包丁で喉をかっ切り、頭を岩でカチ割り…、サンタコスで死ぬほど目立つ殺人鬼にも関わらず、みんな死の間際まで気付きもしない。
死体はそのつど埋めてしまうためか、なかなかみんなは自分の置かれた事態に気付きませんし。
また、舞台がカリフォルニアなので、サンタにつきものの雪はいっさい登場しない。
ラストで明かされるマスクのサンタ殺人鬼の正体に多少は工夫がある物の、それくらいかな。
ちなみにヒロインであるナンシー役のジェニファー・ラニヨンは、何とロジャー・コーマンの甥であるトッド・コーマンの配偶者。
つまりは法律上、彼女はコーマン大帝の姪御さんという訳ですね。
だが2007年に引退してしまったようです。
監督のデビッド・ヘスさんは、かの名作『鮮血の美学』の出演者であり音楽を担当された方です。
これが唯一の監督作のようなんですが、そういう意味では貴重な作品と言えるかもしれません。