ゆきゆき

ほんとにあった!呪いのビデオ55のゆきゆきのレビュー・感想・評価

3.5
ほん呪における岩澤宏樹演出の最終作にして集大成とも言える巻。普段オリジナルビデオはレビューしないのだけど、一応劇場公開版でもあるので取り上げる。

収録投稿映像は『ロールシャッハ』『誰がいなくなった?』『飛ぶカメラ』のインパクトが強い。特に「飛ぶカメラ」は分かっててもあの映像には「ギョッ」とさせられてしまう。『窓の外』や『悪戯電話』は古き良き心霊映像という感じだし、『タイムラプス』といった変わった切り口の怪奇映像も良き。

そしてバラバラに投稿されてきた映像の背景には実はひとつの繋がりがあり、廃墟に潜む怨念と青年の恨みがリンクしていく構成は見事。今作に手応えがあったのか、岩澤氏が後に手掛ける『心霊玉手匣』も同様のスタイルへとなっていますね。青年の恨みの理由が某匿名掲示板での誹謗中傷だったり、個人情報流出事件が背景にあったりとこの辺は時代性を感じますがね。

現場を離脱していた演出補・菊池の復帰は当時テンション上がったな。同じ演出補の川居を含めて岩澤と菊池の3人がいた頃のほん呪が、心霊映像の怖さとエンタメ性が同居した充実の時代だったなと改めて思った。
ゆきゆき

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