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大統領の執事の涙のPoMooNのレビュー・感想・評価

大統領の執事の涙(2013年製作の映画)
3.8
勧められて視聴。
米国大統領の七人の執事として20年勤務したセシルとその家族を通して黒人への世相の変化の作品。

リンカーンの奴隷解放から100年経ってもキング牧師達の活動が必要なように黒人には公民権も無ければ変わらずの差別と白人史上主義。
セシルは家働き→ホテルボーイ→ホワイトハウスの執事へと働き場所を変えていく。家庭内では、長男ルイスは黒人地位向上の為反政府運動へ身を投じ、次男チャーリーは国に尽くしベトナム戦争を志願し戦死。それぞれが別の道。長男は白人に支える父セシルの仕事を嫌い、セシルは長男の活動に反対し一切理解を示さない。
政治的には黒人に参政権を与える事で票を獲得しようとする算段があったり政治思惑で時代の変化あるようにみえるが、まだまだ。

ルイスの様に体を張って抵抗する多くの犠牲者もいれば、作中キング牧師の言葉としてセシルを評してるのに「勤勉に働き、高いモラルと威厳ある振る舞いで、黒人像を変え、人種の壁を崩した執事やメイドも戦士だ、自覚は無いかもしれないが」(正確じゃ無いけどそんな言葉があった)なるほどなぁーと思った。そんな人々の努力により2008年オバマ大統領が生まれる。その頃にはルイスも息子の活動に理解を示し、職場の仲間の昇給・昇進も再度掛け合って、成功する。ここに行き着くまでの長い時代の道のりがある。
当時オバマが大統領当選した時は、本当には黒人達の気持ちは理解できなくても、それでも時代の変化を感じて驚いたものだ。

過去Driving Miss DaisyやGreen Bookを視聴したが、これは白人に近い立場のセシルから同胞を見、自分なりに戦っている作品だった。
No1165
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