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大統領の執事の涙のTaeのレビュー・感想・評価

大統領の執事の涙(2013年製作の映画)
4.2
WOWOWにて鑑賞。
黒人差別が残る時代のアメリカの公民権運動を描いた作品。
この時代に執事として、ホワイトハウスで何十年も働いた黒人がいたという実話に基づいた話。
まだまだ差別が残る時代に、冷静に執事を勤め上げ、大統領から絶対的な信頼を得る。
むしろセシルと接するうちに考えが少しずつ変わったのではないかとも思える。
ホワイトハウスの中で、いろんな政治の話が飛び交い、黒人差別に対する時代の流れをリアルに感じる環境。
それに対して黙っているのは、どれだけ辛かったり、キツかっただろうか。。
あんなに仕事に全てを捧げても、なかなか待遇が改善されなかった現実も悲しかった。
息子のルイスは白人に仕える父親に対して嫌悪感を抱き、過激な運動に参加してしまうけど、これもまたルイスはルイスで、自分なりにもがいて、葛藤した結果なのだと思うし、こういう行動に出れる事もまた一つの勇気であり、実際時代を動かしたキッカケにもなったと思う。
どちらの気持ちもわかるけど、セシルが家族のためにいろんな事を我慢しながらも、頑張ってる事が息子になかなか伝わらない所は心が痛かった。そういう父親が本当はどれだけ強いか、という事も。
結果的に60年の月日を経て、初の黒人大統領であるオバマ大統領が誕生する。
でもそこにたどり着くまでの年月の裏に、様々な人が、それぞれの思いを胸に戦っていたという事は忘れてはいけないと思う。
オバマ大統領が誕生した際のセシルの表情がスゴく印象に残ってる。
その後のネクタイに丁寧にアイロンをかけるシーンは最高です。
アメリカの歴史の一部をじっくりと知れる見応えある作品です。
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