あなぐらむ

帰れない三人 快感は終わらないのあなぐらむのレビュー・感想・評価

2.9
いまおかしんじ監督のいまおかプロ名義の初OP映画作品。
番手は涼川絢音が最初だが、実質は夏希みなみが主演、そこにベテラン工藤翔子が脇を固める。奇妙な出会いから一晩で百人斬りの願掛けをする三人三様な女達。シーンの反復、ダイアログの反復に巧みな「映画」を感じる。

「親子」をめぐる縁の中で「百」という数字が様々な意味を持ちだし、女達の一夜は大切な意味を持っていく。(割と下層の)市井の男女の生きざまには遠くかつてのロマンポルノも伺える。

ぶっきらぼうな芝居の夏希みなみが何ともいい。涼川絢音はこのまま行けば、林由美香みたくなるかも(までデビュー当初だった)。
絡みは、不倫相手との別れとなる工藤翔子の交接が、愛おしさ・離れがたさが滲み出ていて見事。

朝焼けの中の女達を捉えたロングのFIXショットが美しい。涼川サンの絡みでサンドイッチにする構成も巧い。涼川サンは山内大輔、いまおかしんじと多く起用されていく事となった。