MasaichiYaguchi

悪夢ちゃん The夢ovieのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

悪夢ちゃん The夢ovie(2014年製作の映画)
2.9
2012年に日本テレビ系列で放送されたTVドラマの続編的な映画化作品。
ヒロイン武戸井彩未役の北川景子さんや、「悪夢ちゃん」こと古藤結衣子役の木村真那月ちゃん等の主要キャストたちはそのままで、この作品で初登場の「Sexy Zone」のマリウス葉くん演じる謎の転校生がキーパーソンとなって、波乱のドラマが展開する。
腹黒で自己中心的な二重人格者である明恵小学校の教師・彩未が担任する6年2組に、何処か達観したような、それでいて危なげな所を持つ渋井完司が転校してくる。
「悪夢に負けず、自分の手で未来を切り拓く」という彩未の教えで一致団結し、前向きになった元5年2組の生徒たちに、この謎の転校生は大きな波紋を投げ掛け、やがてリーダー的な存在となって大事件を引き起こしていく。
彼がどうしてこの様な子供になってしまったのか、少しづつ紹介されていくが、終盤で描かれる衝撃的なエピソードで彼が抱えている心の闇が明らかになる。
恩田陸さんの小説「夢違」を原案にした本作は、人間の無意識下にある残酷さや醜悪さ等のダーク面をテーマとして取り上げているので、学園ファンタジーの中にシリアスな人間ドラマを織り交ぜている。
元々小中学生向けの作品なので、漫画チックな所や、予定調和な展開も多いが、「悪夢ちゃん」の淡い初恋が描かれたり、母と子の絆や愛が描かれたりと映画版らしい「膨らみ」を持たせている。