あげちゃん

ダラス・バイヤーズクラブのあげちゃんのレビュー・感想・評価

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)
4.8
セックス、ドラッグ、酒、ギャンブルに明け暮れる男は、忌み嫌うホモの象徴であったHIVウィルスに侵されたことをきっかけに生き方を変えていく…
元来彼は、危険と隣合わせの中で刹那的に生を享受していた。しかしその眼前に迫る死に、弱る体とは対照的に湧き上がる生きたいという強い思い。そしてその人間の根源である「生」を渇望した行動は周りの希望となっていく。人間臭い男の病気と差別への戦いには胸が熱くなった。
また、他人のために命を張った行動は素晴らしい。社会に見放された身で、あんなにも強く生きられるだろうか。生きることは辛く、楽しく、美しい。
ウェットな内容ながらもユーモアの素晴らしさも教えてくれる。
散り際の眩さに憧れてしまう。アメリカンニューシネマも同じ原理だ。必死に生き抜かんとすることは尊く魅力的。
この強烈なメッセージは主演と助演の2人の役者がいてこそ。演技とは思えないほどの命の煌めき。アカデミー男優賞をどちらも受賞したのも納得。
あげちゃん

あげちゃん