ちょげみ

オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主のちょげみのレビュー・感想・評価

3.4
あらすじ
 死者の霊を見ることができるなど先天的にいくつかの特殊能力を持って生まれてきた主人公のオッド・トーマス。彼は職場のカフェでロバートソンという客に、暴力的で凄惨な死を望む悪霊ボダッハが憑いていることを視認し彼を尾行する。ロバートソンの家に忍び込み、彼が数日後大勢の人を巻き込む事件を起こすことを知ったオッドはそれを阻止するため東奔西走する。


 開始から圧倒的B級映画感を醸し出してはいますが、ミステリー、ホラー、ファンタジー、そして恋愛映画としての配分が絶妙で、幾分物足りなさは感じるもののよくまとまっているなぁという印象を受けました。

 マッドは未解決事件にすぐに首を突っ込みたがる無鉄砲で向こう見ずな男で、おいおいもっと慎重になれよ..と思うことは10回くらいあったけれども、マッドの思い立ったらすぐ行動する性格がこの作品にスピーディーさと推進力を与えていて適度のハラハラドキドキ感を保持しつつ退屈せずに見ることができました。

 ホラー映画としてもめちゃめちゃ優れていてるわけではないけれどなかなか悪くないと思います。彼だけが見ることができる幽霊、悪魔的なもの、そして人間、この3つのマテリアルが渾然一体となってどこからか彼を襲ってきます。
今追っているのは、あるいは逃げているのは幽霊か、それとも現実の人間か。
彼が見る特殊な世界を追体験することで私たちを混乱と恐怖に陥れホラー映画として多重的な経験を生み出していています。
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