ぺこらった

項羽と劉邦 鴻門の会のぺこらったのレビュー・感想・評価

項羽と劉邦 鴻門の会(2012年製作の映画)
4.3
陳勝呉広の乱から漢が成立するくらいまでの間は、中国史上において最強クラスの頭脳と武力が短期間に、しかも複数が同時多発的に奇跡的な集結をしている稀有な時代だと認識しています。

そんな中での最終的な勝利者は「普通の人間」(劇中自称)である劉邦。
いつ項羽に殺されても不思議じゃなかった彼が何故勝利者になれたのか。
歴史的にも有名な鴻門の会を軸に史実ベースで、晩年の劉邦の回想という形で語られるお話です。

この時代が大好きな自分には全編見どころと言っても良いくらい集中して見ることが出来ました。
一番良かったのは呂雉が蕭何に本人の列伝を渡すシーン。
下手なホラーより断然怖かった。
当たり前のように行われていたであろう、権力者による史実の歪曲をドラマに絡めて上手に表現しているなあと。

呂雉の悪逆非道を期待している人には肩透かしかも。
彼女の残虐性の発露は劉邦が没してからが本番ですからね笑
劇中においては夫のせいでさんざん苦労させられた恐妻のような描写でした。

この映画には陳平がほとんど出ないので、彼と彼女のやり取りがあったら更に良かったかも知れません。

配役もそれぞれイメージ通りで歴史好きのツボは押さえているかと思います。
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