紅里

項羽と劉邦 鴻門の会の紅里のレビュー・感想・評価

項羽と劉邦 鴻門の会(2012年製作の映画)
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我が生涯には恐るべき敵が2人いた。
「項羽」と「韓信」である。

劉邦って、調べると こぞって評価されている人物で、勿論それは 彼が混乱の天下を制したからではあるが、彼の人柄が並外れて優れているがゆえ。戦闘能力も高いわけではなく、政治力に長けているわけでも、優れた戦略家というわけでもない。彼には 秀でた才能も 優れた能力もあったわけではないが、彼のすごいところは、その懐の深さ、度量の広さと、故に人を集め 魅了するところである。人柄の良さ、それが劉邦にあったもので、項羽にはなかったもの。私個人は、劉家の人間の、人望があり 度量の広い性格は、自分自身の価値観とも似ているから 凄く英雄のように感じるのだけど、この映画は 特に劉邦を綺麗に描くことはしなかった。むしろ、皇帝になってからの、変わり果ててしまった劉邦を支点に描いているもので、彼がとりわけ素晴らしい感はなかった。彼が敵と称する項羽と韓信の方が より丁寧で美しく描かれていたような、、。だから、劉邦が終始苦しめられている「悪夢」というのが 罪悪感なのではないかとさえ思える。かつての同志であり仲間であった項羽。誇り高き 国士無双、西楚の覇王。そして、そんな項羽の陣営を離れ 劉邦についてきた韓信。彼なしでは 天下は取れなかった。そんな 悪夢のように劉邦を苦しめ続けた有望な若者を 自分が追い詰めてしまったという罪悪感が 悪夢のように現れ 逆に彼を追い詰める。という劉邦のストーリー。
「王的盛宴」っていうのは 何だろう。
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