カタパルトスープレックス

マンボーグのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

マンボーグ(2011年製作の映画)
4.1
カナダの映画集団「アストロン6」による長編SF映画です。どうせヒドイB球映画だから、そのヒドサをゲラゲラ笑ってやろう……と思ったら、かなり優秀な作品でビックリ!!!さすが、『ドカベン』の岩鬼なみの悪球打ちで定評のあるりょーこさん案件です!!!😂😂😂(毎度、ありがとうございます)

舞台は地獄の門からやってきたドラキュロン伯爵率いるヘル軍団が人類を打ち負かした世界。人類が敗れた地獄戦争でドラキュロン伯爵に敗れた男が、マンボーグとして数年後の世界で目覚めます。ヘル軍団に支配された地球の首都がメガシティ。マンボーグはそこで仲間を得てドラキュロン伯爵と対決する。果たして、マンボーグは人類を救えるのか?という話です。

予算が1000カナダドル(日本円で8万円くらい)でこのクオリティーってすごいですよ。低予算で良い映画を作る工夫がすごい。バックがほぼクロマキー合成。特撮が必要な部分はストップ・モーション・アニメーション。夜のシーンを多くすることで、安っぽさを隠す。コンピューター画面で観るがわに想像させることで、複雑な映像を避ける。それでも製作費8万円とはにわかに信じがたいクオリティー!

B級映画ってトロマ・エンターテインメント(『悪魔の毒毒モンスター』で有名)みたいな本当に低予算で、その低予算さを包み隠さず見せるパターンもあります。一方で、ロジャー・コーマンのように低予算んと割り切って品質をめっちゃ下げるパターンもあります。

「アストロン6」の場合はB級でありつつも、なにも犠牲にしていない。これがすごい!キャラクター造形もちゃんとしているし、ストーリーも破綻がない。セリフもちゃんと意味があったりする。映像も(安っぽさがあるのは仕方ないにしても)ちゃんとカッコいい!少なくともいい映像を作ろうと努力をしている。

前後に収録されているフェイク予告編も秀逸。すげえなあ。「アストロン6」はちょっと追いかけて行きたいと思いました!