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Wake Up, Girls! 七人のアイドルのOASISのレビュー・感想・評価

1.9
「らき☆すた」などの山本寛監督が、仙台を舞台にアイドルを目指す7人の少女たちの姿を描いたアイドルアニメ「Wake Up,Girls!」の前日譚。

アニメの方は、放送当初は全く興味が無くて観ておらず、ネットやら何やらでどうやら作画・ストーリー共にギリギリの状態という情報が伝わって来ていたが、アニメでは無く劇場版のこの作品ですら後半になると息切れしたかのように作画崩壊レベルの絵が頻発していた。
アイドルアニメと言っても様々あるが「アイカツ」や「ラブライブ」くらいしか観たことの無い自分からしても、そのレベルの差がはっきりと分かってしまうほど残念なクオリティだった。
デザインが没個性でメンバーの見分けが付きにくいのもアイドルアニメとしては致命的だと感じたし、キャラクターの名前と声優の名前を同じにしても肝心の演技が微妙でキャラに思い入れも感じられなかった。

物語は、元アイドルである真夢がメンバーに加入するかしないかがメインになっていて、その真夢がどうして人気絶頂期にアイドルを辞めてしまったのかという回想だとか、友達やマネージャーに何度も説得されてはやっぱり拒否するという流れが多くを占めていて真夢に対してストレスが溜まる一方な作り。
ギャル風な夏夜、あざとさ満載な未友、モデル風な美少女佳乃、元気いっぱいな実波など他のメンバーは金銭面で苦労してしまうような今の状況を精一杯良くしようと励むし、そういう不憫さは素直に応援したい気持ちにはなる。
それだけに、いざ加入する場面になって真夢が放つ一言がちょっと的外れ過ぎて「は?」となるし、マネージャーの最後の一言にしたってそうで、大事だと思われる場面の台詞に違和感があって全く響いて来なかった。

メンバー達は事務所にお金が無い為可愛い衣装やPVも作れずに自前の制服で踊らされるし、パンツも見え放題。
見せパンが悪いとかでは無いけど、逆にモロパンを見せられると清潔感も無くなるし下品さが際立って不快感を覚えてしまう。
アイドルって「エロさ」よりも「カワイさ」の方が重視されてると思うので、露骨なエロへの媚びは逆に彼女達を神格化しているようなファンには不評だと思われる。
そりゃエロいに越した事は無いけど「お前らそんな目で見てたの?」とただでさえ白い目で見られている所に更に嫌わられる要素がプラスされてしまって、結果的にファンからも嫌われてしまう諸刃の剣であると言える。
いや、アイドルオタクでもなんでも無いただの映画ファンの意見だけども。
ただエロいのが見たければ恵比寿マスカッツで良いじゃんていう話ですよ。

パンチラに力を入れるくらいならダンスシーンの作画にもっと情熱を注いで欲しかった。
ただ全員が踊ってるだけで引きの画だと表情も分かりにくく、踊りと踊りの合間のカットが少ないのか一瞬で次の動きに移るから滑らかさが足りず、ロボットダンスを見ているような気になった。
ラストの一世一代の見せ場にしては微妙過ぎる出来で、まだ「ラブライブ」の三人verの「START:DASH」の方が人数少ないのに驚くほど動いていたと思う。
アイドルとしても、アイドルアニメとしても、人気が出そうなオーラはちょっと感じる事が出来ない作品だった。
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