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17歳の&yのレビュー・感想・評価

17歳(2013年製作の映画)
4.0
【2014/2/26:ピカデリー新宿】
全編に渡りジリジリとした焦りを感じるのは、成人年齢が18歳であるフランスゆえの空気感なのかな。東京の街中にいる女の子たちが、皆それぞれの17歳を抱えてるのかと思うと「危険なプロット」のラストカットみたいでゾワゾワするけど、17歳から成人まで3年もある日本に生まれて本当に良かった、と思う。17歳が成人前夜だなんて、たまったもんじゃない!
ふと鏡に映った自分自身の姿が、まるで他人みたいによそよそしく感じられたり、またはびっくりするほど綻びて剥き出しな姿に居ても立ってもいられなくなったり。17歳ってそんな年齢だよなと、センセーショナルなことなど全くなかったはずの自分の過去を想起し、重ねた。
イザベルは自分の行動に理由など何もなく「ほんの軽い気持ち」と言うが、売春に寄りかからなければ保てない「何か」があることを彼女自身知っていただろう。けど、その「何か」の正体がわからない、だから寄りかかるべきものを正しく選べない(正しさなど興味もないだろうし)。選べない彼女にとって「秘密」の所有が魅惑的であることは想像に難くない。あけっぴろげな家族に歓迎される同年代彼氏の隠蔽性のなさは全く魅力ないし。大人の偽善や嘘には敏感で潔癖なくせして、自らは秘密に惹かれるという矛盾を孕んでいるのもまた17歳なのだね。
オゾンの作品としてはやや物足りなさを感じつつ観てましたが、ラストの大御所登場でイッキに満足。タメが長いよ。それがいいんだけど。

そして、イザベルの下着がどれも全部可愛かった。ああいうの、日本じゃなかなか買えないんだよなー。
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