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そこのみにて光輝くのtAeKoのネタバレレビュー・内容・結末

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

●たつおは、元々面倒見のいい人だった
。でも、慕ってくれていた後輩を死なせてしまったことから罪悪感に苛まれ、仕事も辞め、パチンコに酒にタバコにニート、と堕落した生活を送っていた。
だが、たくじとちなつと会ってから、だんだん変わっていく。

●たくじが、とても愛おしかった。
無邪気で、本能に忠実で、喜怒哀楽がはっきりしてる。思ったことは言うし、よくしゃべる元気な子。遠慮がないし、食べ物はがっつりよく食べる。お調子者で、常にゆらゆら落ち着かず、周りを気にしない自由な性格。でも、実は人のことをよくみていて、察しが良い。お父さんのこと、嫌いだとか言いながら、お父さんも、お姉ちゃんも、お母さんも大好きで、とても優しい。
でも、性格上、気持ちが抑えきれず、姉を思うあまり、自分が仮釈放中だとか、周りのこととか、そんなのを考えるまえに身体が動き、姉を傷つけ、バカにした中島を刺してしまう。

家族に喜んでもらいたかっただけなのに。。。


●ちなつは、初めてたつおと会ったときに、好意を持つ。
生きることのために、家族を養うために身体を売って、生活する。衣装がノースリーブにショーパンと、露出度高めで、役の設定に合ってた。
意思は強く、情には流されない。媚を売らない。孤独感を感じてる。自分を大切にできていないし、大切に感じてない。でも、家族想い。
弟が中島を刺したとき、『血(父)が悪いのよ』という母。そんなときにとなりの部屋から性欲をむき出しに母の名前を呼ぶ父。ちなつは父親を殺そうとしてしまう。でも、たつおに止られたあと、父親に、かつての好きだった頃のように『ちなつ』と呼ばれ、我に帰る。そして、自分はここで生きていくしかない、わたしにはたつおがいる、と強く自分の運命を受け入れているようだった。



✳︎たつおは、半ば諦めているような自分の人生を送る中で、必死に生きてるちなつ、うるさいけど素直で一緒にいるだけで気が晴れるようなたくじ、そして2人が家族を思う姿に励まされ、好きになったちなつのために自分の傷と向き合い、立ち直っていく。
ちなつは、まっすぐに向き合ってくれるたつおのお陰で、自分を大切にできるようになっていく。

でも、すべてのことがうまくいくわけではなく、ラストの方で、状況的にはがくんと落とされどん底の状態だが、今までと違うのは、心から信頼できる大切な人ができたこと。
きっとそのことは、どん底でも人を強くしてくれる。

✳︎菅原くんあってこその映画だと思った。このキャラが、たつおの闇の部分を強くひきたたせてる。
✳︎どんなにつらいきもちのときも、夕日は憎いほど綺麗。
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