ブタブタ

そこのみにて光輝くのブタブタのレビュー・感想・評価

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)
4.5

田舎の閉鎖的なコミュニティ。
元ヤンキーの土建屋の社長等、あの中島(高橋和也)と言う男は一種の独裁者でどうしようもないクズではあるけど厳密には悪人と言う訳では無くて小心な男で自分より弱い人間を虐める事は出来てもそれ以上の大それた事は出来ないしするつもりもないだろうし、家族はちゃんと居て社員を抱えて会社を経営して地元にも貢献している顔役であり何処にでも居るありふれた男なのだと思う。
宇多丸氏の絶賛レビューで『ときめきに死す』の影響が語られていたのですが、北海道のロケ地、冷たい夏、と言った舞台以外もストーリーや内容も似ていると感じたのは、オウム真理教と言うカルト集団が世間から隔離されたコミュニティで麻原と言う独裁者がどんどん暴走し己を神の如く勘違いしていった様に中島も田舎の狭いコミュニティの中でなら何でも自分の思い通りになる、己を神の如く勘違いしていってあんな悲劇を生み出してしまったのだろうし
中島みたいな男は田舎の狭い人間関係や中小企業のワンマン社長等あらゆる場所に居るのだと思う。

達夫 拓児 千夏の3人は中島を排除する事で一種のカルトから脱出する事が出来たのだと思うし、この先もきっと辛い事が待っているのだろうけど、あの降り注ぐ朝日の光の美しさ『そこのみにて光り輝く』とのタイトルは朝日の光であると同時に、達夫が現れた事であの姉弟は救われたのだと思うと達夫自身が光だったのかなとも思いました。
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