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そこのみにて光輝くのなのレビュー・感想・評価

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)
3.9
GW後半幕開けに相応しい、重く、喉奥が締まる作品だった。
全員、目が、その人生の色と光をしてた。諦めとそういうのが全部詰まってて、
拓児さえも、目が表面はキラキラしてるのに奥ではもう自分なんてなんも役に立たんって分かっていて。

それと、自分も長女なので千夏のシーンで胸が張り裂けそうになった。
特に車のシーンと、父さんのシーンで、全部耐えきなかった。彼女は諦めてんだけど、諦めないで欲しいとか簡単に言えなくて。
でも、底の中で輝きを見つけて、まだ生きてくれてありがとうと思った。
太宰が言ったみたいに、人生って大半は水の中に沈められてるもんで、時々ぷはっと空気を吸えるのに、縋ってしまう。
空気が吸えて幸せなのは、水に沈められてるからな癖にして分からず、麻痺る。
じゃあ最初から水に沈められなきゃいいのに、生きてなきゃいいのになんて思うわけで、人間って馬鹿だよな本当に。底のみで光り輝くことですら、縋れるんだから。でも、それでいい。そう、縋っていようよ。
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