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そこのみにて光輝くのmovieJackのレビュー・感想・評価

そこのみにて光輝く(2013年製作の映画)
4.5
劇場鑑賞で
ラストの朝日の神々しさに驚愕し
猛烈に感動して以来
監督と出演の3人を追い掛けるきっかけとなった
思い出深い今作

少し前
函館を訪れることができロケ地へ

今作の世界観には欠かせない
五稜郭付近のスナック街には残念ながら行けなかったが…
・出頭した交番(十字街周辺)
・3人で乾杯した食堂(津軽屋食堂)

ついでに…「オーバーフェンス」の
・グラウンド
・遊覧船
・遊園地と動物園の函館公園 へ

家族が寝ている早朝にジョギングで行ける距離へのロケ地巡りができた
津軽屋食堂のみ再訪し惣菜でお酒を少し頂きました(笑)

想像より狭く海に囲まれた街で
一部は観光地として賑わい
函館山に向かう坂が印象的であるが
観光客が訪れる場所以外はひっそりとしていて
北国特有の寂しさが感じられた

函館の空気感
雰囲気に包まれた状態で
帰った直後に再鑑賞しての今作初レビュー

貧困・介護による
ドン底の家庭環境で育った姉弟
高橋和也の台詞では
母親も身体を売っていたのだろうか…

誰からも蔑まれる環境のなか
それでも
生きるため
家族を養うため
安い金で身体を売り
食品加工会社でも働き続ける姉

弟もそれが解っているだけに
素行や口は悪いが
常に姉を気遣う姿は
根本の性格は良く
憎めないタイプだが
金が入ればすぐにパチンコや
寿司の出前に散財する生活は
育った環境なのだろう

こんなにも生々しく
人間の生と性について
また
人生の光と闇について
若手俳優により
描ききった作品は珍しく思われ

現代において
生きていくこと
個人として家族として
生きてゆかなければならないことについて
飾ることなく生々しく表現する世界観

どんな境遇の人にも
必ず輝く時がくるという希望が感じられるストーリー

中盤の鬱屈したもの
全体に漂い覆っていた霞が
スーっと画面の外へ消えていく
清々しい感覚は秀逸で
他の作品では感じられない素晴らしい体験であった
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