海老シュウマイ

百瀬、こっちを向いて。の海老シュウマイのレビュー・感想・評価

百瀬、こっちを向いて。(2013年製作の映画)
5.0
全員嘘つきだった!
めちゃくちゃ泣きましたが。

最初は軽いコメディタッチから、中盤のダブルデートではヒリヒリしたサスペンスとなったり、ラストの河原では静かに美しく、どうしようもないやるせなさを感じ、いつの間にか百瀬とノボルの嘘が愛おしいものとなっていました。

映像自体は望遠の多用からかブレが気になる部分もありましたが、逆に望遠でメインだけを切り取ることで没入感はアップでした。
また、切り取ることで流山の街が、千葉ではない遠くのめちゃくちゃど田舎にも感じられたのも良かった

百瀬(早見あかり)とお嬢様育ちの徹子(石橋杏奈)の家庭環境やファッション、小物(口紅とリップ)みたいな対比も良かった。
徹子は完璧で素敵なのに、なぜ百瀬に感情移入してしまうのか、不思議です。

食事シーンが=仲間、幸せの象徴のように使われているのも好感度が高いです。
学食のうどん、ノボル家のカレー、デートの時のアイス、百瀬家の肉じゃが、田辺君のドーナッツ。
一方で宮崎先輩や徹子は劇中でマトモな食事を口にしてないのがなんとも。
(いわゆるフード理論ってやつでしょうか)
百瀬家の夕飯なんて全部茶色なのに、美味しそうで、暖かく幸せそうで…


とにかく、
「猟奇的な彼女」風なものが好きなら是非こちらも。