半兵衛

Seventh Codeの半兵衛のレビュー・感想・評価

Seventh Code(2013年製作の映画)
3.1
前田敦子のプロモーションビデオ映画のはずなのに、なにも説明せず冒頭から不穏すぎて共感しにくい主人公前田敦子の突飛な言動と行動ではじまるためいつもと変わらぬ唯一無二の黒沢清ワールドになっていくのはさすがと言うかなんと言うか。そして突然の暴力、銃、投げやりなエンディングとロシアが舞台なのにアメリカ製B級ノワールをやってしまうところも彼らしくて、最初は『恐怖のまわり道』みたいだったのに終盤になると『キッスで殺せ』になってしまう…アイドル映画なのに。

相変わらず長回しのショットが独特な緊張感をドラマにもたらしていて、特に部屋内での奥行きと風に揺らぐ赤いカーテンのエモいショットにはおおっと唸ってしまった。

登場人物は四人だけだが、鈴木亮平に山本浩司と結構豪華な面子&安定した演技力の持ち主が揃っているので見飽きない。そしてヒロインと仲良くなる中国人がナイスキャラ。

前田敦子の曲が終盤唐突に流れるくだりは『ドレミファ娘の血が騒ぐ』を思い出した、でもそこからの急変するラストは唖然。でもちゃんと伏線は張っている。

でも前田敦子の魅力ありきで作られ作品なのでファンではない私にはそれほど響かなかったのも事実。
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