ハシゴダカ

Seventh Codeのハシゴダカのレビュー・感想・評価

Seventh Code(2013年製作の映画)
3.9
『悪は存在しない』が最高に面白かったので、濱口竜介監督の師匠筋にあたる黒沢清監督作をと思い、1時間とかなり短い本作を。

元々前田敦子のシングルのミュージックビデオとして制作された本作されたという、奇しくも『悪は〜』となんとなく似た制作経緯。

本作の5年後に同じ主演・監督で制作された『旅のおわり世界のはじまり』が妙に面白かったのは、異国でウロウロする前田敦子の存在感によるところが大きかったけど、本作でもウロウロする前田敦子なので、プロトタイプ版と言えるのかも。
ただ、もちろんウロウロの質が全然違っているけれども。

何を考えているか分からず弱そうで危なかっかしいのに実はサバイブ力がある女の子、というキャラクターは2作とも共通。
でも設定に捻りがあるのは、プロトタイプである本作の方。
ちょっと味付けに凝った本作を撮ってから、前田敦子の素材の味のみで勝負したのが次作の『旅の〜』なのかも。

黒沢清作品における「作り物感」が大好きな私としては、本作におけるそれも大満足。
悪く言えばチープと言えなくもないこの感じ、ホント嫌いじゃない(笑)。

鈴木亮平演じる松永が事実を分かった時のあの陳腐な説明台詞(笑)。普通の映画ならしらけてしまうところだけど、黒沢清なら何故か許せてしまう。あとは井口昇監督(笑)。
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