coba18

アバウト・タイム 愛おしい時間についてのcoba18のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

今日を生きる事が、好きになる。

タイトル通りだな。
見終わって心がポカポカしてくる。

最初は、タイムトラベル系とのことで、BTTF、時かけ、ニューヨークの恋人、シュタゲやバタフライエフェクトで鍛えた洞察力(?)を最大限に活かして、物語の進行から乗り遅れまい!と意気込んだが、まったく不要だった。

そこらの設定や辻褄はほとんど作品の趣旨に影響はなかったと思う。
邪推せず、スッと入り込めたお陰で、今その時一瞬を大切にする事が伝わってきたから。

人に出会って人を愛して人生を共にすることってこの映画の通りだと思った。
その時のその文脈で知り合い、縁が結ばれる。
同じ相手でも、オリジナル以外の出会いはない。違うシナリオだと、過去に戻っても運命の相手でさえ出会えない。深い。

エーリッヒ・フロムが
「愛は能動的な活動であり、受動的な感情ではない。そのなかに「落ちる」ものではなく、「みずから踏みこむ」ものである。愛の能動的な性格を、わかりやすい言い方で表現すれば、愛は何よりも与えることであり、もらうことではない、と言うことができよう。」
と言ったけど、
恋愛の対象だけでなくても、一生の中で人との出会いという一瞬に、どのくらい能動的に主体的に関われているのかって自問してしまう。

一期一会。

過去に戻っても手に入れられない事もあるくらい、人との出会いって貴重なんだな。

ティムの父が教えてくれた秘訣。
2回目の日常生活は、不安や緊張を感じなくなり、日常の楽しさに気付く。
この秘訣もすごく共感できた(別にタイムリープ能力は無い)。
ティムの2回目の時に、自分の余裕や笑顔が伝播していき、周りがすごくいい顔になっていく描写がなにより凄く好きだ。
自分も相手もみんなハッピーになれるっていい。
相乗効果というか、周りがハッピーだから俺もハッピーだよ。でも周りからしたら、お前がハッピーだからつられちゃってさって。

ガンを告知された後、母親が運命の神に悪態つきながらさらっと配偶者への深い愛を告白するところとか、脚本家の家主がなんだかんだ家族みたいな付き合い方になっていくとか、キットカットの不安や、親の死と子どもの誕生だけは跨げない節目として扱いだったりとか…
挙げればキリがないほど、素敵な設定、内容が詰め込まれた作品だった。
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