shino

アバウト・タイム 愛おしい時間についてのshinoのレビュー・感想・評価

4.2
"父は幸せになる秘密の方法を教えてくれた"

運命の彼女枠と言えばこの人!なレイチェル・マクアダムス♡
パッケージの笑顔もとびきりかわいい。

レイチェル演じるメアリーを射止めるため、気弱な青年ティムが、一族の遺伝のタイムトラベル能力を駆使する!とまあ一言で説明するとそんなあらすじですが、物語の本質が男女のそれではなかったことがとっても良くて…

これはきっと家族のあり方や、そこに流れる幸せな時間の捉え方みたいなものを優しく示し導いてくれるものなのだと思いました。

「息子よ、我が一族の男にはタイムトラベル能力が備わっている。」
なんて真剣に告げられた日には、そこから大きな変革が起こることを一瞬期待したティムの人生。いい意味でそこまで変わらない。笑

ちょっとした日常の失敗や後悔を取り戻すためにタイムトラベル能力を使うティム。自分のためだけでなく、ときには大切な友人のために。
お金や名声よりも大切なものを知っているのはきっと、能力を悪用せず、ひたすら「読書」に費やしたステキなパパの譲り受け。

運命の人メアリーとの闇Barでの出会い。顔が見えない空間で会話だけでお互いを知るって何なんだ、絶対ドキドキするやつ。そしてリアルだったら明るいところに出てガッカリするし、されるやつ。

紆余曲折あって相思相愛になって、毎朝お互い地下鉄のホームで「行ってきます」し合う2人、なんてオシャレなんだ…!日本だと睨まれると思うけど…もっとやって…!!笑
2人の恋人期だけでも充分キラキラ楽しめるけど、この作品の本質はやはり"家族"
紳士なパパと誰よりかっこいいママ。奇抜でチャーミングな妹。純朴でかわいい叔父さん。そこに"家族"として新たに加わるメアリー。夫婦、兄妹、母と子、父と子、叔父と甥っ子、姑と嫁。全員がそれぞれ自立はしているけれど、見えないところで想いあって支えあっている線みたいなものがナチュラルに描かれている気がしました。

タイムトラベルの原理も難解ではなくシンプルで、越えてはならないもの、抗えないものにも納得感がある。

タイムトラベル能力を持つ誰もがティムやお父さんみたいになれたら世界はもっと優しくなるんだろうなぁ…なかなかきれい事だけではいかないのが人生だけれど。
「疲れたー」と終わる1日よりも「なんだかんだいい日だったな」と寝落ちできる日を増やしたいものです。
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