菩薩

東京の恋人の菩薩のレビュー・感想・評価

東京の恋人(1952年製作の映画)
4.3
日本版『ロード・オブ・ザ・リング』であり、三船版の『酔拳』(笑)、ちなみに主役は勝鬨橋、何たってこの勝鬨橋が開いて上がって下がって閉じてで大活躍。タイトルは全くもって詐欺で全然ラブストーリーではなく、銀座を中心舞台とした若者たちの群像劇、原節子演じる絵描きと、三船演じる偽物宝石作家、大・中・小の小粋な3人組となぜかとことん悲劇要員としてぶち込まれる立ちんぼ、相変わらず女遊びに余念のない森繁とその妻と愛人ともう贅沢盛り沢山の内容。とことん笑わせてからのまさかの超ド級の悲劇への落差は全盛期の大魔神佐々木のフォーク並みで唖然とするけど、ラストは希望と言う名の船に乗り隅田川を駆け抜ける。水中撮影風のおちゃらけ安来節&あっち向いてホイ(?)のシーンであったり、洗面台の排水口に落としちゃったダイヤの指輪を救出すべく釣り糸垂らしたら普通に魚釣れちゃうだとか、いやもう面白すぎるだろ。偽物でも本物でも、心に光り輝く物を持っている人間の美しさ、ってのを彼らに投影してんのかな、にしても清川虹子の強欲ぶりはもはやジャイアン超えてたし、少しタイトめのシャツを纏う原節子の乳がデカすぎて、階段を降りるたびに揺れる乳にこちらの心も踊った、これは傑作だ。
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