らんらん

東京の恋人のらんらんのレビュー・感想・評価

東京の恋人(1952年製作の映画)
4.0
東京の下町を舞台に描く人情コメディ

前半は宝石のイミテーション作りを生業とする男(三船敏郎)が作った指輪をめぐって起きるドタバタ劇と出会い、後半では病気で死の淵にある顔見知りの娘(杉葉子)のため、下手な芝居を打つことに、、、

原節子と三船敏郎のダブル主演作、タイトル的にラブコメかと思いきやラブはそんなになし!森繁久弥、清川虹子の夫婦、愛人藤間紫によるコメディ色が強い作品
そして相変わらずの原節子の清純さ、三船敏郎の男気を堪能できます
でも原節子にしては勝気で積極性のある役だったなー、そしていくら絵描き役とは言え不自然なくらいベレー帽姿、スケッチブック持っていた印象
そして原節子と三船敏郎って同い年なんですね!これ何か意外です、三船は見た目おっさん、原節子は永遠の処女、でも原節子の方が年代上だと思ってました

一番語りたいのはストーリーとかそっちのけで勝鬨橋になっちゃう
作品解説にもその開閉が見られるのはレアとある
調べたところ開かなくなって久しい勝鬨橋ですが
設置当初は1日に5回、1回につき20分程度跳開していて、この頻度はほぼ1953年頃まで続いた
ってあるから、当時としては当たり前の風景なんですよね
特に思い入れもなく実物も見たことないんだけど、それを聞くとその開閉が映像で見られるって貴重ですよね

劇中ではその橋のシーンが随所に使われていて、落とした指輪を探したり、その開閉によって指輪が隅田川に落ちちゃったりと、当時ならではなストーリーを展開する
三船敏郎が渡ろうとする時に橋が上がりかけていて慌てて戻るとかもある(あの後20分も待つのか、、、)

今日の2本立て「吹けよ春風」「東京の恋人」三船敏郎からはイメージ出来ないタイトルで気になっていた作品のひとつです
時代劇や戦争物と違ってどんな役なのかわからない点が気になっちゃうところですよね
タクシーの運ちゃんであったり、宝石の贋作を作る職人の三船敏郎、こんなの予想できるはずがない、いいもの見れて良かった!

あ、この作品も「唄うミフネ」に偽りなく一応唄うシーンがあります、けど、そんなに印象的でもなくただの一場面、セット販売みたいな無理くり感が少し、無理くりと言えばこのタイトル、中身と合ってないと思う
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