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東京の恋人のchiyoのレビュー・感想・評価

東京の恋人(1952年製作の映画)
4.5
2015/5/10
時価50万円のダイヤの指輪を巡る悲喜交々が、とにかく楽しくて始終笑いが絶えない状態。中でも、森繁久彌と清川虹子演じる赤澤夫妻が最高すぎ。その一方で、原節子演じるユキを始めとする、戦後の裕福ではない人たちの暮らしもしっかり描写。特に象徴的なのが、ユキたちの友人ハルミの存在。ただ、彼女の病でシリアスな展開を見せるかと思いきや、逆に三船敏郎がエプロン姿を披露してくれたりと、なかなか侮れない(笑)。また、黒川の人柄の良さは分かっていても、偽物だけは許せないユキの職業が画家というのも説得力があり、さらにそんな彼女が嘘に荷担するという流れが面白かったりも。それにしても、開閉式の橋そのものが新鮮なのに、ちゃんとそれをエピソードに盛り込んでくるのが巧い!ユキを慕う三銃士もどきのトリオも、意地らしくてお気に入り。が、何よりもインパクトがあるのは、やっぱり赤澤夫妻、彼らに尽きる。
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