OASIS

魔女っこ姉妹のヨヨとネネのOASISのレビュー・感想・評価

魔女っこ姉妹のヨヨとネネ(2013年製作の映画)
3.7
魔の国にある呪い屋姉妹のヨヨとネネの家の前に突然巨大なビルが現れ、人間の住む世界と繋がった。人間界でも呪いがかけられた者が見つかったり、建物が消えたりという現象が起こり始め、それを解決しようとする話。

ufotable製作の劇場アニメ。
魔法少女モノに期待する様な描写も大量にありつつ、最初から最後までハイクオリティな作画の連続で大変満足した。
少年少女の成長と恋心の芽生えを描きつつも、魔法の存在に対する見方を少しだけ変えてくれる。

依頼された任務を追っている様に見せて寄り道が多かったり、後半になってから急に真相へ結び付かせる為に慌ただしくなったりして前半は若干の退屈さを感じる。
ヨヨの人命を軽んじる発言が後々の布石になっていて挫折もしっかり描いているし、少年が徐々に魔法を信じていく事でETパロディの場面が感動的に見えるだとかは本当に丁寧で映画を観ているという感覚は充分に味わえるのだけど。

人間が魔法を信じようとしない事がそのまま呪いになって、呪い屋であるヨヨの無尽蔵の魔力を奪ってしまうという構造は面白い。
たとえ魔法の存在を信じようした所で、それが自分勝手な願いばかりでウンザリしてしまうっていうのも、願いを聞き入れる神様の側からすればそりゃ叶える気も無くなるよと。
綺麗なファンタジー作品の中にも汚い部分を描いてくれたのは良かった。

姉であるヨヨが人間界でドタバタする一方、帰りを待つネネ側には地味な画が連続するので姉妹が手を組んで活躍する様子がもっと見られれば良かったと思いました。

これは良いなと思ったアニメには必ず諸星すみれちゃんがいるし、彼女は大物になるだろうなと予感させてくれる。
「アナと雪の女王」の子供時代のアナ役も良かったし、今作のミュージカルシーンも非常に可愛かった。
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