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はなしかわってのcalinkolincaのレビュー・感想・評価

はなしかわって(2011年製作の映画)
3.8
ハル・ハートリー監督の映画を観るのはまだ2本目だけどもうすっかりファン。
意図せずはみ出てしまった者への眼差しのやさしさとそんなの気にすんなよ。とでもいいたげなとぼけたユーモア。
何か大事件が起こるわけじゃないのに、見終わった頃にはなんだかちょっとこころが上向きになっている、ふしぎな後味。
この「はなしかわって」の主人公、なんだか洗練されたNYの車寅次郎みたいねーって思った。
寅さんみたいにはちゃめちゃではないけれど。
自分だってお金なくて弱ってるはずなのにちっとも殺伐とせず、困っている人を見過ごせないで。
その人の困り事や時には心までほどいて、去ってゆく。
何々、この人何者なの?うさんくさい人?え?窓?って感じで観てたのに、ラストシーンを見届けて思ったのは「この人、しあわせになればいいな」。
私も60分の間に彼とその友人であるハートリー監督 (映画には彼の名前や奥さん、オフィスも出てくる) にすっかりほどかれていたようです。
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