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はなしかわってのtetsuのレビュー・感想・評価

はなしかわって(2011年製作の映画)
3.3
年末にTSUTAYA DISCUSS onlineがレンタル1本88円セールをしていたので、それに合わせて、ハル・ハートリー監督作品を一気に観ることに...。

小説家やドラマーなど、多彩な活動をする中年男性の日常。

近年のハル・ハートリー作品は初めてだったので、ロングアイランドとは異なるNYという舞台と、現代的な映像が新鮮だった。

オープニングから、早速、全裸の女性が登場して驚くが、続けて観てみると描かれるのは何てことのないおじさんの日常。しかし、そんな彼の会話や世界観は、やはり独特だったりする。

なにより衝撃なのは、ハル・ハートリーがNYに構える小さなプロダクション"ポッシブルフィルムズ"が、そのまま登場すること。(しかも『トラスト・ミー』のポスターまで登場したりする。)

DVDに収録されていた特典映像によると、主人公の俳優が住んでいる場所&NYのプロダクションの立地を実際に反映した脚本らしく、「日常に起こることだけで映画を作る」という監督の方針に基づいて作られたらしい。

かつてと比べれば、より自主的な制作背景のため、映像が持つオシャレな雰囲気は下がったものの、人生経験を積んだ監督だからこそ描けたラストのセリフに、もはやゴダールの『イメージの本』と通ずるものを感じた。
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