手塚ブッダを2作目。1作目よりも構成が弱い感じかなぁ。
出家したシッダールタが、苦行を重ねながらも自分の道を切り開き悟りを開きブッダとなるまで。
シッダールタはデーパなる坊主に誘われて苦行をひたすら重ねる。
このデーパの声に藤原啓治。前作は武術指南役のパンダカを演じてたのに…てっきりパンダカが生きていたのかと思ったよ。なんでタレント声優をいっぱい使ってるのに、ここは声優を使い回しなの？？？
デーパは苦行を重ねれば、死に近づき悟りの境地に達すると信じ込んでいる。
シッダールタはそれに対し、死ぬことでは無く生きて使命を果たすことで悟りに至るという話だ。
シッダールタに道を授けるのが、助けた少年のアッサジだ。鼻垂れキャラで運命が見える預言者。自分の死も預言しその通り死ぬ。
デーパの思想の、辛い思いをするほど導きを得られるという考え方は、非情にカルト的だ。カルトはこの思想を植え付けて搾取をする存在だからね。
このカルト思想にアンチテーゼを主張するのは、正に手塚の人間愛の本質だ。
だが、今作の書き込みは甘いなぁ。単純に、何を持ってシッダールタが悟りの境地に至ったか、凄いボンヤリしている。というか、この表現は難しすぎるよ。そんじょそこらの演出家には太刀打ちできないって。
終盤にさしかかり巨人兵士がルリ王子の母親を救出するシーンも、なんか変だ。アニメーションが弱いこともあり、妙に可笑しみを感じる。それもクライマックスの悟りの演出を阻害している。
