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家族の灯りの&yのレビュー・感想・評価

家族の灯り(2012年製作の映画)
3.9
【2014/2/17:岩波ホール】
105歳のオリヴェイラ監督が、103歳の時撮った作品。103年生きてる人が、人間の生業をどう捉え、どう表現するのか。人生103年目の世界なんて、自分の目では見ることができないかもしれないわけだし。それだけでもう興味があるし、十分に観る価値があると思う。
神目線ですらない、完全無所属な視点で、室内で起こる日常やら奇跡やらを虎視眈々と待ち続けるうちにすっかり老いてしまったような、特異な質感の長回しに圧倒されてしまった。戯曲をベースにしていることや、岩波ホールの奥行きのある舞台での鑑賞といった要素も影響しているとは思うが、極めて演劇的で濃厚な密室会話劇。
ガス灯が仄暗く照らす室内に、少しだけ外の明かりが射し込むラスト。なんでこの邦題にしたの?と思えるような救いのないラストに相反するアイロニーなのか、それともそこに彼らの救いがあったのか。貧困や自由や信心や赦し、それらをどう捉えてるかで観方が変わるんだろうか。わたしにはまだちょっと難しい。
父親と嫁の間には性的な何かがあるのかな?などとすっかり腐敗した昼ドラ脳で観てたけど、そんな陳腐な話じゃなかったですごめんなさい!
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